突破思考

虎哉 宗乙(こさい そういつ)という禅僧、みなさんご存知ですか?
伊達政宗の家庭教師です。
虎哉はどういう指導をしたか。

大河ドラマ「独眼流正宗」で、そのシーンがありました。
「へそ曲がりの術」を教えるところです。
虎哉が正宗の頬をつねりながら
「痛いか? 痛いなら痛くないといえ。
腹がへったか? へったなら、へってないといえ」
とせまる。
瞬時に師匠の言わんとすることを悟った正宗くんは、
痛いのをこらえながら
「痛くない。へってない」と答える。
それを聞いて、虎哉(大滝秀治)はにっこり。。。

これはいったい何を教えているのでしょうか?

ひとつには「敵の裏をかく」技術でしょうね。
敵の意図したように動かない。
あえて反対の行動をとり、敵を混乱させる。

それからディベートの技術。
ある命題に対して、賛否どちらの立場からでも議論を展開できる思考力と論理力を身につける。
おかげで政宗は議論巧者に成長、
遣欧使節団の件で藩存亡の危機に立たされたときも幕府との議論を制し、お取り潰しを免れています。

これらは、二項対立を軸とした技術ですね。
現在も広く使われているものです。
二項対立思考(二元論)は西洋哲学(つまりは西洋人の考え方)の基礎を成すものでもあります。

しかし、東洋哲学(禅など)は二項対立思考ではない。
かといって、なんでも一つ、同じもの、という一元論(汎神論)でもない。
したがって虎哉の教えたかったのは、これらだけではないはず。

では何でしょうか?

恐らく「Break Through(突破)思考」でしょうね。
賛成か反対か、比較分析してどちらか選ぶ(しかない)のが二項対立思考。
それに対して、賛成も反対も突き抜けたところに解を求めるのが突破。

「逆転の発想」とか「超戦略的思考」とかいうようなMBAが好きそうなのも、
(禅とは奥深さが違うものの)突破思考でしょうね。

さて前回の質問、
突破思考的に考えるといかがでしょうか?
(ちなみに答えはありません)

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