読書生活2009年11月号 (あと134冊で500冊)

今月は22冊でした。
前半飛ばし過ぎて、後半息切れ。。。意外と伸びませんでした。

■読書生活2009合計: ★176冊+コミック38冊★
■読書生活500冊カウントダウン: ★残り134冊!★ (通算366冊+コミック38冊)


<おすすめ>
★利根川進「私の脳科学講義」岩波新書2001
 化学→分子生物学(ノーベル賞)→脳科学と渡り歩いた利根川先生。
 脳科学では、チーム監督的お立場でしたが、そのチームでは体の一部の遺伝子だけを操作する技術(第二世代ノックアウトマウス)の開発に成功され、そのお陰で脳内各部位の働きがかなりはっきり分かるようになってきています。


★イ・ヨンスク「「国語」という思想」岩波書店1996
 「国語」というのは日本独特の思想である、という切り口で明治大正昭和の国語問題を分析した本です。情報満載。国語問題の研究者にとっては必ず目を通すスタンダードな本だと思います。
 イ・ヨンスク先生の「国語」論は、こういうことのようです。
 すなわち、
「国語という言葉はもともとLanguageの訳語でしかなかったが、日露戦争以降あたりからの急激なナショナリズム台頭に伴い、国体という言葉と一体化してしまい、日本語という言語ではなく、日本や日本人(あるいは日本のアイデンティティ=個別識別子)を表す言葉になってしまった。
 その結果、国語をひとつにするとか、日本語が通じる領域を拡大するとか、いうことが一種の悲願として祭り上げられることになった。その悲願を成就するための具体的活動こそ、明治以来の標準語政策であり、韓国・台湾・中国で行われた日本語教育である」
 また本書では、戦前戦中の国語問題の中心人物でありながら上記流れとは異なる動きをとった保科孝一氏について詳述しています。


★山本真司「会社を変える戦略」講談社現代新書2003
 MBA系手法の解説書ですが、小説仕立てになっていて読みやすいです。
 アメリカ発ビジネス思想の問題点と対策を詳しく紹介しています。
 日ごろ「おかしい、間違っている」と考えていたことが、アメリカでも問題視されいたと分かり、溜飲が下がりました。


★渡辺精一「朗読してみたい中国古典の名文」祥伝社新書2007
 論語・李白・杜甫・十八史略など。
 数多くの古典から名文をピックアップして解説を加えた本です。
 参考資料としての価値大。


<まあまあ>
●内藤誼人「パワーマインド」SB文庫2005
 パワープレイシリーズの第二弾。
 パワープレイ(弱者が強者に勝つ方法)のより具体的な方法について解説されています。
 「偉そうに見える人」がどうしてそう見えるのか、たくさんヒントがありました。 

●内藤誼人「パワーロジック」SB文庫2005
 パワープレイシリーズ第三弾。
 上記パワーマインドとともに三軒茶屋のブックオフにて購入。

●羽生善治「決断力」角川Oneテーマ21新書2005
 勝負に勝つためには、
 愚直に努力すること、できるだけシンプルに考えること
 結局それしかない、と説いておられます。
 こういう一見当たり前のことも、天才から言われると説得力があります。
 アメリカ軍でも新兵を鍛えるときは、
 "Keep it simple, stupid!"「簡単にやらんか!、このバカモノ」
 と怒鳴りまくるそうです。
 極限的状況では、小細工など通用せんということです。


●ゲーテ、訳・高橋健二「ゲーテ格言集」新潮文庫1952
 愛と女性、人生、科学、自然など、面白い切り口でゲーテの言葉を分類しています。

 齊藤孝先生によると「ゲーテは(人生の)上達論」とのこと。
 これを読んで、ああなるほど、とうなづきました。

 「財貨を失えば少しを失う
  名誉を失えば多くを失う
  勇気を失えば全てを失う」


●小和田哲夫・小杉あきら「マンガ日本の歴史がわかる本」三笠書房1999
 古代から室町時代あたりまでを解説した本です。
 

●読売新聞日本語取材班「新日本語の現場・第三集」中公新書ラクレ2005
 新聞関係者の書いた本は、中途半端に意見や判断が述べられているのであまり好きじゃないのですが(と言いながら結構読んでますが)、この本はそういところがありませんでした。
 面白い話がたくさん収録されていますが、中でも記憶に残ったのが厚生労働省のお騒がせ通達です。
 全国の病院に「患者さんではなく、患者様と言うように」と指示したとか。
 関係者は非常に困っているそうです。


●歴史の謎研究会編「日本人が知らなかった歴史の顚末」青春文庫2002
 東京八重洲の語源は、ヤン・ヨーステンというそこに住んでいたイギリス人の名前だったとか。間宮林蔵は間宮海峡発見後スパイに転身とか。
 

●出雲井晶「わかりやすい日本の神話」中公文庫2005
 古事記のノベライゼーションという感じの本です。
 だいたい定説の古事記解釈に近いと思います。


●小林多喜二「蟹工船・党生活者」新潮文庫1953
 ブックオフに出てたので買ってみました。

 いうまでもなくプロレタリア文学の代表作。

 プロレタリア文学って、エンターテーメント(娯楽小説)ではないし、かといって純文学でもない(と思います)。結局、思想啓蒙書ですね。

 この作品にも「俺が教えてやる」という教導的雰囲気が漂います。

 しかしそういう雰囲気は、どうしても上からな感じになる。読んでるほうからすると、説教されてるようで楽しくない。
 それで段々読まれなくなり、ついにはプロレタリア文学というカテゴリーが消滅しちゃうわけです。ついでに共産主義も絶滅寸前。

 そういう歴史の顚末を読み解く資料としては、一読の価値ありと思います。


●パオロ・マッツァリーノ「つっこみ力」ちくま新書2007
 著者はれっきとした日本人。パオロはペンネームだそうです。
 いかにもプロ・ライターという感じです。

 「つっこみ力」というのは、わかりやすさ・勇気・おもしろさ、から構成される力とのこと。
 批判力あるいはメディアリテラシーと近いように思いますが、そうではないとのことです。
 後半は「自殺と失業率には直接的関係がない」という論を展開しています。
 

●本山勝寛「マンガで鍛える読書力」PHP2009
 日本史、世界史、経済学などを勉強するのに役立つマンガを紹介した本です。
 さっそく近所の漫喫に行ってみましたが、昼間は意外と入場料が高いのでびっくり。
 入らず帰ってきてしまいました。


●東大家庭教師友の会「東大生が選んだ勉強法」PHP2008
 結局、勉強法に王道なし、ということが良く分かります。
 東大生だからといって特別な勉強法などないのですね。
 

●姫野友美「女はなぜ突然怒り出すのか?」角川Oneテーマ21新書2006
 著者はお医者さんです。
 「話を聞かない男、地図を読めない女」を科学的にした感じの本です。
 PMSの話、ホルモンや脳内物質の影響などを紹介。
 

●柘植久慶「ビジネスサバイバル戦術」大陸文庫1991 <絶版>
 柘植さんが慶応出身の元傭兵というような知っていましたが、サラリーマンやってたのは知りませんでした。
 この本はサラリーマンに、傭兵の知恵を伝授するという趣向です。 
 情報収集の方法とか、チーム管理の方法とか、勉強になりました。


●ローラ・スタック「定時に変える仕事術」ヴィレッジ・ブックス2007
 大ヒット自己啓発本の文庫化です。
 目標をはっきりせよ! 優先順位をつけよ! という教え。
 

●野田敬生「心理諜報戦」ちくま新書2008
 諜報戦というのは現代でも世界中で行われており日本も絶えず攻撃にさらされているのですね。
 諜報活動は大まかにいうと次の4つの分野に分かれるそうです。
  情報収集、情報分析、防諜、積極工作。
 この本は積極工作(カバートアクション)について解説しています。


●藤井非三四「陸軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人」集英社新書2008
 旧日本軍の問題点を解説した本です。
 日本軍には季節感がなかった、というのは面白い視点だなと思いました。 
  

●菅原裕子「コーチングの技術」講談社現代新書2003
 タイトルに偽りなし。ありがちな精神論ではく、技術論を書いた本です。
 今まで読んだコーチング系の本の中では、一番良かったと思います。


 

コメント

匿名 さんのコメント…
「空気の研究」って奥が深い・・・と、みんなのシアターWii(http://theaterwii.jp
)をやってる人が言ってた。
調べると以下サイトが参考
http://kousyoublog.jp/?eid=1396

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