岡嶋裕史「アップル、グーグル、マイクロソフト」光文社新書2010
副題が「クラウド、携帯端末戦争のゆくえ」となっておりまして、要するにメジャー3社の動向や戦略について解説した本です。4年以上前の本なので、技術的な内容については、さすがにちょっと古くなっていますが、これら3社の根本思想に関わる分析は今でも十分参考になる内容だと思います。
■マイクロソフトは、「雲」ではなく「空」を目指している
マクロソフトがやっているクラウドみたいなやつAzure。
あれ元々の意味は蒼穹とか紺碧とかなんですってね。全然知りませんでした。
マイクロソフトが構築しようとしているのは、雲ではなく、その上にある「空」だということです。実現できてるかどうはさておき、その心意気に感心します。
■グーグルがやりたいのは、結局は「情報を整理すること」
グーグルがやりたいのは、金儲けではないのですね。
とにかく彼らの原動力は、「世界中の情報を整理したい」という欲望だのことです。
アンドロイドも検索エンジンもグーグルアップスも、すべてその目的を達成するための道具に過ぎない。なるほどと思いました。
ちなみにchromeというのは「窓」という意味なのだそうです。彼にとってはまさに情報をゲットするための窓なんですね。
■アップルは、ルールを壊すことで市場を席巻する
今では当たり前になったネット上のマーケットプレイス。
それらは全部アップルのitunesを真似たものです。
SONYも似たようなものは作りましたが、あまり成功していない。
日本企業は製品単体の価値を突き詰めるのは得意だけれど、製品を系化(エコシステム)するのがとっても苦手です。言い方を変えると、人の作ったルールの上で戦うのは大好きだけれど、ルールを作っていくのはとても下手ということですね。
日本でも、ゲームチェンジャーになるような企業をもっと育てないといかんやろと思います。
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