読書生活2009年12月号

新年明けましておめでとうございます!!
本年もよろしくお願いします。

昨年はなんやかんやと大変な一年でした。
今年こそは、もうちょっと良い年でありますように!


さて、2009年最終結果です。

12月は合計23冊。

したがいまして、2009年合計は。。。

★199冊+コミック38冊★でした(微妙)。 


忘年会とかで、12月は大苦戦。

クリスマス時点で10冊しか読めておらず、かなり焦りました。
後半はなんとか持ち直したものの、200冊に一歩及ばず。。。
残念無念です。

今年こそは200冊越え、がんばりたいと思います!


■500冊カウントダウンは:★残り111冊!★ 
(読書生活 通算389冊+コミック38冊)



<おすすめ>
・山本七平「日本はなぜ敗れるか-敗因21カ条」角川ONEテーマ新書2004

トヨタの会長が幹部社員に読めと命じた、ということで話題になった本です。

日本はなぜ敗れたか、ではなく、なぜ敗れるか、というタイトル。
ここに山本先生のメッセージが凝縮されています。
日本は戦前も戦後も本質的にはまったく変わっていない。
これではまた敗北してしまう。。。

残念ながら先生の予想は大的中ですね。しかも復興の兆しは見えません。

。。。なんて他人事のようにいうのがいかんのでした。
山本先生のご指摘をしっかりと胸に刻み、これ以上敗北せぬよう、がんばらねばなりません。
たとえそれが日本人を辞めたくなるよな辛い内容であっても。

必読の書と思います。


・ジョーエレン・ディミトリアス「この人はなぜ自分の話ばかりするのか応用編」ヴィレッジブックス2002

自分をよく見せる方法=イメージマネジメントについて解説した本です。
大半の人は、イメージマネジメントができておらず、実際よりも悪い印象を他人に与えてしまっているとのことです。思い当たることが多数あり、読みながら赤面しました。
気をつけたいと思います。


・中村明「比喩表現辞典」角川書店1995

辞典というより文例集ですね。
同様の辞典はいくつか出ていますが、今まで見た中ではこれが一番です。
何年か品切れ状態で、2009年夏にようやく増刷。
気がついたときには、在庫残り僅か。
あと2冊!(アマゾン) というとこで、あわてて買いました。
ちなみに現在、また在庫切れのです。

角川さん! ちょっと多めに印刷しましょう!



<まあまあ>

★心理学・哲学・思想・数学

・ジョーエレン・ディミトリアス「この人はなぜ自分の話ばかりするのか」ヴィレッジブックス2001
<おすすめ>で紹介している本の前作です。
こちらは「人を見分ける方法」について書かれています。
ちなみに著者の職業は陪審員選定コンサルタント。
そんな商売があるとは知りませんでした。さすがアメリカです。


・ショウペンハウエル、訳:齊藤信治「自殺について 他四編」岩波文庫1952
以前に半分ほど読んで、そのままになっていましたので、今回改めて通読しました。

ショウペンハウエル哲学の大要がわかりやすくコンパクトにまとめられたものです。

「自殺について」なんていうと穏やかならざる感じですが、ショウペンハウエル哲学は人生の苦痛を積極的に受け入れていこうという非常に前向きなものです。それゆえ、精神の根源=意志とは何かてな(哲学的で暗い)問題については「そんなものいくら考えても分からん」とばっさり切り捨て。

この切り捨てられた部分を蒸し返すのが、後のフッサールとハイデガーですね。



・豊田秀樹・前田忠彦・柳井晴夫「原因をさぐる統計学」講談社ブルーバックス1992

共分散構造分析の方法について解説した本です。
というとなんか面倒くさそうですが、要するに相関関係から因果関係を導き出す方法の入門書。
それも肝心なところ、つまり仮説生成は人間様の直感にたよるわけで、これはあくまでその仮説の正しさを検証するための方法という感じのものです。



・滝川義人「ユダヤの格言99」講談社+α新書2005<絶版>

格言集であると同時にユダヤ文化の解説書です。
ユダヤ人の教育熱心は有名ですが、それは(日本のように)ビシビシやるということではなくて、子供を勉強好きにするよう熱心に工夫するということだそうです。タルムード(聖書)を一種の論争集として学んでいるため、論理力が強いとか。なるほど、と思いました。


★日本語・言語学
・国広哲弥「日本語誤用・慣用小辞典(続)」講談社現代新書1995<絶版>

「ほめことば」と「ののしりことば」を比べると、後者の方が圧倒的に多いのですね。
その他、最中と途中の違いなど、興味深い話が多数収録されています。
残念ながら絶版のようです。


・岩波書店辞典編集部「ことばの道草」岩波新書1999<絶版>

岩波新書にはさまれている栞に書かれていることばの解説をまとめた本です。
その解説は広辞苑をもとにしています。


・米川明彦「手話ということば」PHP新書2002<絶版>

つい最近まで聾唖者の方々は手話を大っぴらには使えなかったとか。
全然知りませんでした。


★日本・中国古典
・編:室城秀之「うつほ物語」角川ソフィア文庫・ビギナーズクラシックス2007

日本最古の長編小説といわれるものです。
「うつほ」というのは要するに太い木の根元にできた洞窟上のスペースのこと。
主人公たちがその中で、秘密の琴の練習をするのです。
SFのような恋愛小説のようなお話です。

角川のビギナーズクラシックス・シリーズは読みやすくて気に入っています。


・編:角川書店「蜻蛉日記」角川ソフィア文庫・ビギナーズクラシックス2002

同じくビギナーズクラシックスです。
かげろう日記。
プライドが邪魔して「可愛い女」なりたいのにになれないという女性の話です。
旦那と仲良くしたいのだけど、イライラしてぎくしゃくしてばかり。
そんなことをしているうちに、他の女が旦那の子供を次々産んでしまう。
気がつけば年を取り、もう旦那と一緒にはいられない。。。


・紀貫之、訳注:三谷榮一「土佐日記」角川ソフィア文庫1960

ご存知「日記文学」の代表作です。
土佐から京までの旅日記という体裁をとった半フィクション作品です。
仮名文字で書いたことと女性を擬したことが大きな特徴です。


★戦争・軍事・インテリジェンス
・野村實「日本海海戦の真実」講談社現代新書1999<絶版>

日露戦争での日本海海戦をテーマにした本です。
東郷平八郎と秋山真之の実像に迫ります。


・太平洋戦争研究会「太平洋戦争の意外なウラ事情」PHP文庫2007

真珠湾攻撃のときの特殊潜航艇による特攻隊。無駄死にでした。引っ込みがつかなくてやっちゃったのです。
航空隊長の淵田中佐は大ミス。大成功のはずの真珠湾にしてこの有様。
そりゃ戦争負けるはずです。


・保阪正康「大本営発表という権力」講談社文庫2008

大本営発表ていうと、どんなイメージでしょうか。
恐らくこんなでしょう。
・権力者が上から「教えてやる」という感じで行うもの
・権力者にとって都合の悪いことは決して発表されない。
・インチキな内容も頻繁に混入する。
これはまったく事実なんですね。
この本はその経緯を解説しています。


・源田實「海軍航空隊始末記」文春文庫1996<絶版>

著者は真珠湾攻撃時の航空参謀で、戦後は防衛庁(自衛隊)から参議院議員になった方です。
そういう人が書いた本ですから臨場感抜群で資料価値も大。
「失敗の本質」をはじめ多数の太平洋戦争ものに引用されています。


・佐藤優・高永喆(コウ・ヨンチョル)「国家情報戦略」講談社+α新書2007

日韓のインテリジェンス専門家が国家レベルの情報戦略について語りまくるという本です。
内容は最新のレーサー盗聴装置の話から、戦争中の特務機関の話まで、佐藤ものの例にたがわず非常に豊富です。


★思考力
・船川淳志「思考力革命」講談社+α文庫2006<絶版>

脱常識系の思考力強化本です。
研修で使えそうなネタがたくさん収録されています。


・森下伸也「逆説思考」光文社新書2006

大疑は大悟の基。とにかく疑えという教えです。
引用が結構面白いです。特に夏目漱石一門の話はすごく面白かったです。



★その他
・片野順子「世界の言葉で『アイ・ラブ・ユー』」NHK生活人新書2003

在日外国大使館を70軒はしごして、おたくの国の言葉で「アイラブユー」をどういうか聞いて回ったという本です。その企画自体がすごいと思いました。
恋愛にまつわる各国の民話なども多数収録しています。


・成瀬悟策「リラクセーション」講談社ブルーバックス2001

腰痛とか肩こりを治す方法について書かれた本です。
そのポイントはリラクセーション=力を抜くということ。
目からうろこの内容でした。


・福田和也「悪の読書術」講談社現代新書2003

悪シリーズ第三段。
ここでいう悪というのは、倫理的によからぬことではなくて、意識的・戦略的にふるまうモラルということだそうです。簡単にいうと、知的背伸び、です。
人間、背伸びするから成長する、というのが先生のご持論です。

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