アマルティア・セン「貧困の克服」集英社新書2002。

著者はアジア人で初めてノーベル経済学賞を取ったインド人学者。
かなり話題になった本ですね。
日本などで行った公開講義を5本分収録したものです。

なお、著者が対象にしている貧困問題は、あくまで発展途上国で起こっているやつのこと。アメリカや日本など先進国で起こっている貧困問題ではありません。

で、発展途上国の貧困問題を解決するにはどうしたらよいのか?

ひとくちに言うと「日本を見習え!」という話です。
特に次の点を指摘されています。

①基礎教育の充実
②経済エンタイトルメント(人々が十分な食糧などを得られる経済的能力や資格)の広範な普及
③国家機能と市場経済の巧みな組み合わせ
④医療制度の充実
⑤民主主義の浸透

日本では、「反日的な言動をくり返す」文化人もどきが跡を絶ちませんが、戦前戦後を通じて、日本がやってきたことは悪いことばかりではなかった(むしろ良いこともたくさんしてきた)。アジアでは日本をリスペクトしている国家と人も多いという点を、きちんと評価していただきたいと思います。

翻訳が直訳風でかなり分かりにくいのが玉に瑕ですが、特に朝××聞あたりには、こういう言論こそもっと積極的に取り上げていただきたいと思います。


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