山下景子「美人の日本語」幻冬舎2005

美しい言葉を集めて365日にそって紹介した本。俳句の季語集にちょっと似た感じです。
結構売れた本で、現在は文庫化もされています(私が買ったのは最初に出た単行本のほう)。
本当に心が洗われるような言葉たくさん出ていて、たいへん勉強になりました。

■特に気に入ったことば
「蘖(ひこばえ)」 切り株や根元から出てきた新芽のこと。(4月3日)
「酣(たけなわ)」 宴なかばが変化したものらしい。(4月6日)
「終日(ひねもす)」春の海 ひねもす のたりのたりかな(与謝野蕪村)(4月15日)
「薫陶(くんとう)」 無為にして化す(老子) (5月3日)
「紅差し指(べにさしゆび)」くすり指(6月5日)
「乙粋(おついき)」 洗練されていて、渋みのある色気が感じられること。(6月12日)
「温顔(おんがん)」 おだやかで、温かみのある優しい顔。温顔無敵。(6月19日)

「相思草(そうしぐさ)」 たばこのこと。(7月21日)
「贔屓(ひいき)」 竜には九匹の子供がいたがどの子も竜になれなかった(竜生九子不成竜) 。贔屓はそのうちの一匹。

「九十九髪(つくもがみ)」百から一を引くと白。ということで白髪の意味。(9月16日)
「恋路十六夜(こいじいざよい)」 十五夜にくらべて十六夜は月の出が四十分も遅い。ためらいながら(いざよいながら)進む初々しい恋の道という感じの意味に。(9月19日)
「竜田姫(たつたひめ)」 秋の女神。日本の四季は四人の女神が支配しているという伝説から。春は佐保姫、夏は筒姫、冬はうつ田姫。(10月17日)
「天狼(てんろう)」 シリウスのこと。(2月6日)

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