木下是雄「日本語の思考法」中公文庫2009


「理科系の作文技術」著者のエッセイ集です。
収録されているエッセイはだいたい1950年代~80年代に書かれたものです。
にもかかわらず、まったく古さを感じない。絶版にもなっておらず、新品が買えるのもびっくり。

・幼児語は「てにをは」を省略する
→たしかに!と思いました。

・簡潔は現代の美徳だが、関係であるためには努力がいる。簡略は無精者の習わしである。
→この時代の反省なのでしょうか、 現在はやたら冗長なしゃべりをする人が増えている気もします。
しかもダラダラしゃべる割には、本論というか肝心なことが全然説明できない。

たとえば先日もこうい電話があった。
要はカード会社から保険の勧誘だったが、
 「これはXXとXXをカバーだったんですね」「どなたでも入れるものだったんですね」とえんえんと「ですね」を繰り返す。
 10分近く大人しく話を聞いていたが、 で?「私に何をしてほしいのか?」という話に全然進まない。しびれを切らせて「要するに何をせえという話?」と聞いたが、それでも要領を得ない。

しかし考えてみると、こういうコミュニケーションスタイルの人が、最近老若男女を問わず、非常に増えているように感じる。こういうとは「他人への依頼内容をはっきり言わず、相手の察しに委ねる」というものである。

非常に横着だと思うし、こういうのに対して、わかったふりをして適当に流すのも横着だと思います。

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