船津徹「アメリカ最先端の英語習得法」現代書林2015
しばらく怠けておりましたが、書評再開いたします。
音読力を上げることで、英語を上達させよう、という主旨の本です。
で、どういう英語を重点的に音読するかというと、サイトワーズ(sight words = 頻出語)と呼ばれる300語。英文の約70%はこの300語で構成されているので、これがすらすら読めるようになると、リスニングだけではなくリーディングの力もぐんと増すという理屈
です。なるほどね。
私も英語の学習は、まずスラスラ音読できるようにする、というのが一番大事だと思います。結局、自分が話せない言葉は聞くことも読むこともうまくできないからですね。
では、スラスラとは具体的にどういうことか。
この本によると、小学校の高学年で1分間151語ぐらい読めるとのことなので、152語以上読めれば、まあスラスラといってよいようです。
含まれる語は、こういうものでした。
the, of, and, a, to, in, it…let, watch, line, certain, means.
難しい単語はひとつもない。前置詞とか、代名詞とかも多いです。
音源もネットからダウンロード可能ということで、とりあえずものは試し。
言われたとおり全部やってみました!!
私の場合、最初から、スラスラレベル(152語以上の音読力)だったこともあ、これで英語のリスニング力やリーディング力が上がった!
とは正直実感できませんでしたが、発音については、実はあんまり真面目に勉強したことがなく、通じない経験をくり返しながら我流でやってきたようなもので、勘違いしていることも多く、結構勉強になりました。
私の経験では、TOEICで600点ぐらいを境に、音読力に、結構、顕著な差が見られます。
600点を超えている人の音読には次のようなアドバンテージがあります。
第一にリズムが合っている(英語らしい)。
これは全体の流れに関するものです。いくら練習してもうまくできない人もいます。音楽的な才能みたいのが若干関わっているのかもしれません。リズム最悪でも、英語の達人という日本人は、むかし(現在の80歳以上の方)は結構いた気もします。
第二に通じにくい音はそれなりに工夫して通じるように発音している。
代表的なのは、THとWHの発音ですね。日本人の多くは、前者をサシスセソ、後者をハヒフヘホ で発音してしまいますが、それでは英米のみならず、東南アジアでも、サッパリ通じません。(韓国でWHの発音が通じなかったときは、ショックを受けた)それで、わたしの場合、正確な発音はすぱっと諦めて、前者はタチツテト(ダヂヅデド)、後者はワイウエオで通しています。
第三に母音と子音の発声における日英語の違いを表現している。
日本語の場合は、すべての語が母音でおわる、いわゆる開放音節というやつで、要するに子音は弱く母音を強く発音する傾向が強いわけです。
そのため、英語にありがちな、子音でおわる単語はどう発音してよいか分からず中途半端な感じになりやすい。代表的なものがp, t, k, b, d, あたりでおわるやつです。英語では、当然ながらこれらをクリアに(強く)発音しないといけないわけで、そのため日本語では言語用には使っていない舌打ちの音とか、口をぱくぱくするときの音とかも多用するし、語尾に子音が来る単語の場合、日本人には攻撃的と感じるほどのストレスを前半にかけてきたりするわけですね。そのへんを多少なりとも再現している人は、かなり英語が達者です。
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