増田剛己「思考・発想にパソコンを使うな」幻冬舎新書2009
ざっくりいうと手書きメモとかノートの良さを主張する本です。
技術論ではなく、あくまでエッセイという感じの内容。ビジネス書や文芸書などからの引用多数。
なるほど、と思ったところはこんなです。
■マイナス情報を記録することの効用
多重債務者は、自分がいくら借りているか把握していないことが多い。
太っている人は、自分の体重を知らない。
自分の弱点を改善したいと、ほとんどの人間は思っているはず。
それが実際に出来ない場合は、現実から目をそらし耳をふさいでることが多い。
逆に弱点を克服できるときは、そうしていないという話ですね。たしかにね。
一人の人間の中にも出来てることと出来ていないことがありますわね。
■メモすべきは具体例
講義録などをとる時の心得として、具体例をメモれという話です。
抽象的な概念やら原理、原則みたいなことは、たいてい本に書いてある。だからそういうものをメモってもしかたがない。
講義で記録すべきは、先生なりにアレンジして具体的に説明してくれたことという話です。
まったくその通りと思います。
これは逆に考えると、プレゼンなどをやるときに何を話すべきかということに通じますな。
プレゼンをやらすと、なんかやたら概念とか概要の説明をしたがって、具体的な話を端折る人がいます。具体的な話を持っていないならいざ知らず、持っているのに、そういう話には語るべき価値がない、と勝手に思い込んでいるわけですね。非常に残念です。
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