読書生活2008年8月号
「救われた一言」というテーマでエッセイ執筆中。
結構、救われたこともあったな、と思う反面、
救ってくれた人は少ないなあ、とも思います。
私は救っているのでしょうか?
それとも落としているのか?
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今月の紹介冊数:13冊
(おすすめ:4、まあまあ:9)
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【今月のおすすめ】
●橋爪大三郎「はじめての構造主義」講談社現代新書1988
現代思想といえば構造主義。
構造主義の入門書といえばこの本。
システムの仕事でなんか役立つの?
一見新しいコンセプトや方法論も、完全に新しいものはありません。
必ず既存の哲学を応用(援用)しています。
だから哲学(思想)を知っていると早く理解できるのです。
そして欠点や問題点も鋭く指摘できます。
必読です。
●三田誠広「深くておいしい小説の書き方―ワセダ大学小説教室」集英社文庫2000
現代小説のテーマを「実存主義」の視点から、
ストーリーを「構造主義」の視点から分析しています。
「構造主義」の神話分析(ナラティブ・ストーリー)手法は、
われわれのプレゼンにも応用できます。
●リズ・ウイール「論理的で心に届く8ステップ説得術」講談社2005
アメリカの女性弁護士が書いた本。
日常使える説得術を法廷弁論のスタイルを援用しながら解説。
中で紹介されているエピソードがたいへん面白い。
●阿刀田高「旧約聖書を知っていますか」新潮文庫1994
これ一冊読めば、とりあえず「旧約聖書」の概要がつかめます。
【まあまあ】
●ジャック・バース「スパイ的思考のススメ」日経ナショナルジオグラフィック社2004
スパイの知的技術を紹介。
●畠山清行「秘録・陸軍中野学校」新潮文庫2003
日本軍の情報戦について紹介。
日本の情報将校や外交官も、かなり頑張っていたのがよく分かります。
●フェルディナン・ド・ソシュール「ソシュール一般言語学講義―コンスタンタンのノート」東京大学出版会2007
現代言語学(音韻論、意味論、統語論)の開祖にあたるのがソシュール。
その思想を端的に表したのが次のことば。
「言語とはつまるところ「区別のためのシステム」である」
構造主義の元祖とも言われています。
ソシュールによって言語=ロゴス(真理、論理)という考え方が否定されます。
そして西洋哲学も東洋思想に近い考え、つまり言語には限界があるという考えに
変わっていくのですね。
●ヘーゲル「哲学入門」岩波文庫1952
西洋哲学を締めくくった(アウフヘーベンした)のがヘーゲルですね。
すべての哲学は「テーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼ」を繰り返しながら、
弁証法的発展を繰り返す、という思想はあまりに有名。
マルクスにも大きな影響を与えました。
この本はドイツの高校生(ギムナジウム)向け講義の内容をまとめたもの。
分かりやすいはずなのですが、
漢字が旧字体なので非常に読みづらい。日本語訳も難解です。
岩波書店さんには頑張って改版してもらいたいものです。
●岡村正司「25のセオリーで学ぶシステム設計の必修スキル―基盤システム、性能・品質、運用から業務プロセスまで 」日経BP2006
岡村先生の旧作です。
本音がちらりと出ております。
●桐光学園中学校高等学校「大学授業がやってきた!知の冒険―桐光学園特別授業」水曜社2008
文学、哲学、医学、工学など、さまざまな分野の大学の先生が
高校生に語った内容をまとめた本です。
●大久保和孝・ほか「会社員のためのCSR入門」第一法規株式会社2008
CSRについて非常によく分かりました。
●別冊宝島編集部「すごい論理思考でビジネスを変える!」 宝島社文庫2008
メッシーとかSWOTとか思考法の解説。
よく使われるものはすべて網羅。
ハンドブック的に使うのに便利です。
●鈴木大拙「禅とは何か」角川文庫ソフィア1999
禅を世界に広めたことで有名な先生です。
この本は先生の著作物の中では、初心者向け、だそうです。
しかしかなり晦渋。
結構、救われたこともあったな、と思う反面、
救ってくれた人は少ないなあ、とも思います。
私は救っているのでしょうか?
それとも落としているのか?
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今月の紹介冊数:13冊
(おすすめ:4、まあまあ:9)
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【今月のおすすめ】
●橋爪大三郎「はじめての構造主義」講談社現代新書1988
現代思想といえば構造主義。
構造主義の入門書といえばこの本。
システムの仕事でなんか役立つの?
一見新しいコンセプトや方法論も、完全に新しいものはありません。
必ず既存の哲学を応用(援用)しています。
だから哲学(思想)を知っていると早く理解できるのです。
そして欠点や問題点も鋭く指摘できます。
必読です。
●三田誠広「深くておいしい小説の書き方―ワセダ大学小説教室」集英社文庫2000
現代小説のテーマを「実存主義」の視点から、
ストーリーを「構造主義」の視点から分析しています。
「構造主義」の神話分析(ナラティブ・ストーリー)手法は、
われわれのプレゼンにも応用できます。
●リズ・ウイール「論理的で心に届く8ステップ説得術」講談社2005
アメリカの女性弁護士が書いた本。
日常使える説得術を法廷弁論のスタイルを援用しながら解説。
中で紹介されているエピソードがたいへん面白い。
●阿刀田高「旧約聖書を知っていますか」新潮文庫1994
これ一冊読めば、とりあえず「旧約聖書」の概要がつかめます。
【まあまあ】
●ジャック・バース「スパイ的思考のススメ」日経ナショナルジオグラフィック社2004
スパイの知的技術を紹介。
●畠山清行「秘録・陸軍中野学校」新潮文庫2003
日本軍の情報戦について紹介。
日本の情報将校や外交官も、かなり頑張っていたのがよく分かります。
●フェルディナン・ド・ソシュール「ソシュール一般言語学講義―コンスタンタンのノート」東京大学出版会2007
現代言語学(音韻論、意味論、統語論)の開祖にあたるのがソシュール。
その思想を端的に表したのが次のことば。
「言語とはつまるところ「区別のためのシステム」である」
構造主義の元祖とも言われています。
ソシュールによって言語=ロゴス(真理、論理)という考え方が否定されます。
そして西洋哲学も東洋思想に近い考え、つまり言語には限界があるという考えに
変わっていくのですね。
●ヘーゲル「哲学入門」岩波文庫1952
西洋哲学を締めくくった(アウフヘーベンした)のがヘーゲルですね。
すべての哲学は「テーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼ」を繰り返しながら、
弁証法的発展を繰り返す、という思想はあまりに有名。
マルクスにも大きな影響を与えました。
この本はドイツの高校生(ギムナジウム)向け講義の内容をまとめたもの。
分かりやすいはずなのですが、
漢字が旧字体なので非常に読みづらい。日本語訳も難解です。
岩波書店さんには頑張って改版してもらいたいものです。
●岡村正司「25のセオリーで学ぶシステム設計の必修スキル―基盤システム、性能・品質、運用から業務プロセスまで 」日経BP2006
岡村先生の旧作です。
本音がちらりと出ております。
●桐光学園中学校高等学校「大学授業がやってきた!知の冒険―桐光学園特別授業」水曜社2008
文学、哲学、医学、工学など、さまざまな分野の大学の先生が
高校生に語った内容をまとめた本です。
●大久保和孝・ほか「会社員のためのCSR入門」第一法規株式会社2008
CSRについて非常によく分かりました。
●別冊宝島編集部「すごい論理思考でビジネスを変える!」 宝島社文庫2008
メッシーとかSWOTとか思考法の解説。
よく使われるものはすべて網羅。
ハンドブック的に使うのに便利です。
●鈴木大拙「禅とは何か」角川文庫ソフィア1999
禅を世界に広めたことで有名な先生です。
この本は先生の著作物の中では、初心者向け、だそうです。
しかしかなり晦渋。
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