読書生活2009年7月号

読書生活7月号です。
新書や文庫本って、手で抑えていないと閉じてしまう。ノート取り辛くて困るのですよ。特にポメラのとき。
ツールを物色していたところ、ついにいいもの発見!100円ショップの「まな板立て」です。超シンプルなもの。
本来の用途では頼りなさげですが、「本はさみ」としては申し分ないです。おすすめです。

今月はちょっとモチベーション・ダウン。
なんとか、かんとか、17冊。




<おすすめ>

①野村喜和男「現代詩作マニュアル」思索社2005

「詩の入門書で、よさげなもの」、ついに発見。
詩の入門書というと、文学的で難解なイメージでしたが、これはそういうことなし。
言葉は平易で、文章も分かりやすい。
それでいて、構造主義とかヤコーブソンとか哲学的な話もバンバン出てきます。
そこがまた面白い。


②三中信宏「系統樹思考の世界」講談社現代新書2006

系統樹って、要するにツリーです。
論理思考の祖先といってもよいでしょう。
ふだん何気なく描いてますが、実は奥深いものなんですね。
科学哲学の歴史とも密接に関係しているとか。
これまた「常識に毒されてはいかん」というメッセージです。
勉強になりました。


③竹内薫「99.9%は仮説」光文社新書2006

科学とは何か、それは反証可能性である。
これも「脱常識」をテーマにしています。
飛行機はなぜ飛ぶのか? 実は科学者もうまく説明できないとか。
びっくりしました。


<まあまあ>
①齋藤孝「ドストエフスキーの人間力」新潮文庫2008
ドスエフスキー主要作品の解説本です。
「教育熱」という切り口に感心しました。


②内藤誼人「パワープレイ」SB文庫2005
パワープレイというとアイスホッケーを思い出しますが、これは心理学のパワープレイ。
弱者が強者に勝つ戦略のことです。


③北原保雄「達人の日本語」文春文庫2005
青い、とか、赤い、とはいえるのに、緑いとはいえない。
「た」で終わる語尾と「のであった」と終わる語尾の語感の違い。
など、トリヴィアルな話題満載。
相変わらず文章はちょっと読み難いですが。


④阿刀田高「詭弁の話術」ワニ文庫1983
古今東西の詭弁を集めた本。
中国百家のなかの名家という屁理屈専門集団の話など、面白かったです。
参考資料としてキープ。


⑤逢沢明「頭がよくなる論理パズル」PHP文庫2004
論理問題集です。
国家公務員試験で暗号の問題が出るとは知りませんでした。
まっ、そんな難しくないですけどね。負け惜しみ。


⑥逢沢明「大人のクイズ」PHP文庫2002
上の本と同じような論理問題集です。
大人な問題って、要するにちょっとくだけた感じの問題です。


⑦岸田秀・山本七平「日本人と日本病について」文春文庫1996
冒頭、ネズミを使った心理学実験、「学習性絶望感」、の話が出ていました。
後は対談集。両者ともに自分の専門分野に話を引っ張ってしゃべりまくる、という体裁。
どっちか聞き手になってよ。という気もしますが、まあご愛嬌。
山本先生の博識ぶりに感心しました。


⑧訳・石原道博「新訂・魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝」岩波文庫1985
魏志倭人伝はご存知の通り邪馬台国について書かれたものです。
実はこれ三国志の一部なんですね。
距離の記述がいい加減なために、未だに邪馬台国論争が終結しないわけですね。
倭国伝って通算18もの中国正史に登場するそうです。知りませんでした。
この本は、初期の4つを収録したもの。
原本の写真もあり。


⑨久恒啓一・他「伝える力」すばる舎2004
伝える力をテーマとした各界の先生方による講演録です。
元アナウンサーの先生による発生練習の解説など、参考になりました。


⑩山田雅重「日本語の発想・英語の発想」丸善ライブラリー1999
文字通り発想の違いが出る表現を集めたものです。
参考価値大です。


⑪井上ひさし「国語元年」(注:国は旧字)中公文庫2002
小説というか脚本です。
全国共通話し言葉の開発を命じられた明治時代の官僚が、方言使いの人たちに翻弄される話です。テレビドラマにもなっています。


⑫木田元「ハイデガーの思想」岩波新書1993
難解なハイデガーの思想を分かりやすく解説。
ハイデガーの主著「存在と時間」の話がメインです。


⑬ポール・ストラザーン「90分でわかるフーコー」青山出版社2002
フーコーが活躍した時代の解説本です。
思想についての解説が少なくややもの足りず。


⑭梶原しげる「口のきき方」新潮新書2003
怪しげな日本語表現の紹介など。
結構笑えました。面白かったです。

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