日本人論

放送大学(講義)を見てびっくりした。

典型的な日本人論=日本人は集団主義的だ、には科学的根拠が全くないそうである。
心理学の実験結果によると、日本人はむしろ個人主義の傾向が強いそうだ。
そもそも他人に流される、という行動は、個人の内的要因(人種とか性格とか特性とか)ではなく、外的要因(圧力とか恐怖とか)に起因することの方が多いそうである。

教授いわく、
「よく見れば日本人が個人主義的だということを表す事象はたくさんあります。
たとえばスポーツ。
日本ではチームスポーツはほとんど発達していませんが、武術などの個人技はたいへん発達しています。。。」

確かに、おっしゃる通り。

「日本人は個人主義的」で「西洋人は集団主義的」と考えると、つじつまの合うことは多い。
マルクス先生(だったかな?)の「疎外」という概念も、なんか日本人のことみたいだが、西洋人の社会行動についてのものである。

なぜ、そんな簡単なこと気づかず「日本人は集団主義的」と無批判に思い込んでいたのだろうか。
やはり常識に囚われていたということなのだろう。

人間は自分の常識と符合する事しか目に入らない。
常識外れな事に直面すると、「例外」とか「測定誤差」とかいって流してしまうのである。
心理学でいう「確証バイアス」とか「選択的記憶」という現象である。

常識に囚われると思考力が鈍る。ロラン・バルトはそれを「神話作用」と表現した。

常識を疑った者だけが大発見や大発明を成し遂げたということは学校でも習ったはずである。
にもかかわらず実社会では、常識に挑戦する者がすんなり受け入れられることはない。
異端児扱いを受けて、善良な市民=常識人たちから攻撃されるのが常である。
「なんでそんな細かいことに拘るのか」とか「そんなこと考えても無駄だ」などと。

常識を鵜呑みにせず、非常識を非常識と決めつけない。
それがホントのインテリというもの。

そういうものに自分はなりたい。
とは思うのものの、まだまだである。

反省。


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