読書生活2008年10月号

10月号

すみません、たいへん遅くなりました。
ようやく発行です。15冊紹介。

<おすすめ>

①池上彰「伝える力」PHPビジネス新書2007
著者は元週間子供ニュースのキャスター。
「難しく書くことは簡単だが、わかりやすく書くことは難しい」
というメッセージに説得力がある。

②ダニエルぺナック「奔放な読書―本嫌いのための新読書術」藤原書房1993
発行地フランスでは大売れしたエッセイ本。
本嫌いの子供が増えているのは、ヨーロッパも同じらしい。
その原因は、大人が本を読むことの楽しさを子供から奪っているからと説く。
高校の国語教師としての指導風景、著者自身の失敗談など、心に残るエピソード満載。
小さい子供がいる人には、特におすすめ。


<まあまあ>
①浅田彰「構造と力」勁草書房1983
フランス現代思想(ポスト構造主義)の解説書というかなりマニアックな本。
にもかかわらず当時15万部も売れた。
それにビックリ。

②J.P.サルトル「実存主義とは何か」人文書院1996
実存主義の定番入門書。サルトル先生絶頂期の本。
一見とっつきにくいが、意外と読みやすい。

③外山 滋比古「思考の整理学」 ちくま文庫1986
飛行機人間とグライダー人間の喩え。

④アルボムッレ・スマナサーラ「結局は自分のことを何もしらない 」サンガ新書2008
諸行無常とは何か?
認識を改めました。

⑤西尾幹二、ほか「新しい歴史教科書」市販本・扶桑社2001
マスコミに散々叩かれた教科書の市販ヴァージョン。
このあと第二版も出ている。
特に問題と感じる部分はなかった。
それより巻末に掲載されている「文部省の学校指導要領」の方がよっぽど問題あり。
「深入りするな」という記述が目立つ。歴史教育って、そんなでいいのか?

⑥前野徹「新・歴史の真実―混迷する世界の救世主ニッポン」 講談社プラスアルファ文庫2005
再読。保守系の歴史観。

⑦本川達雄「ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学」中公新書1992
サイズが違うと時間の流れる速さが違う。

⑧デイヴィッド ロッジ「小説の技巧」 白水社1997
著者は英国の文芸評論家。
近代小説の技巧について網羅的に解説。

⑨マリア・モンセラット サルト「読書へのアニマシオン―75の作戦」柏書房2001
スペインの本。子供の読書嫌いはスペインも同じです。
アニマシオンというのは、ゲームみたいなもの。
この本はその実践方法を解説している。いわば教科書。

⑩ガルシア=マルケス「物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室」岩波書店2002
若手脚本家、映画製作者のためのテレビ映画意用シナリオ教室の実録話。
ガルシア=マルケス先生の指導はたいへん厳しい。
リアリティーへの徹底的こだわり。視聴者を飽きさせないためにはどうすべきか。
先生は若手に問い続ける。

⑪ヘッセ「幸福論」新潮文庫1977
ノーベル賞作家。晩年のエッセイ集。

⑫水月昭道「高学歴ワーキングプア」光文社新書2007
院卒が最近やたらと目につく、その理由がよく分かった。

⑬宮崎里司「外国人力士はなぜ日本語がうまいのか」2001
外国人力士の努力って、すざまじいです。

コメント

人気の投稿