損して得とれ
どうしたら聞く力を向上できるか?
この問題をJUASで研究し始めて一年。
いちおう報告会は乗り切ったが、肝心の報告書がまだ完成していない。
そこであらためて、「聞く力がない奴とは、どういう奴か」を考えることになった。
言語とは区別のためのシステムである(Byソシュール)、ということで、聞く力を明確に定義しようとすれば、それがないものを研究するのがてっとり早いからである。
考えるタネにすべく「枕草子」をめくる。第二十五段、にくきもの(嫌なもの)。
コミュニケーション系「にくきもの」としては次のものが挙げられている。
■忙しいときに話かけてきて、しかも長広舌なやつ。
(急ぐことあるをりに来て、長言するまらうど)
■たいしたことないくせに、いつも得意満面でえらそうにしゃべるやつ。
(なでふことなき人の、笑がちにて、ものいたう言ひたる)
■いつも人のことをうらやましがり、自分の身の上については文句ばかり言ってるやつ。
■つまらんことまで聞きたがり、それを教えてやらないと逆恨みするやつ。
■ちょっと前に聞きかじったことを、あたかも前から知ってたかのように、他人に語ってるやつ。
(ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露ばかりのこともゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬをば、怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わがもとより知りたることのやうに、異人にも語りしらぶるも、いとにくし。)
■人の話に割り込んで、もの知り顔に、うんちく語るやつ。
(今まゐりの、さし越えて、もの知り顔に教へやうなること言ひ、後見たる、いとにくし)
う”~。やっちゃてるかも。耳が痛い(目が痛いというべきか?)。
これを見ると、とにかく「ペラペラしゃべるやつは嫌い」ということのようである。
清少納言先生は、恐らく、肝心なことを必要最小限にしゃべるやつが大好きなのだろう。まったく同感。たぶん現代人の多くも共感するだろう。文句なしに「聞く力のないやつリスト」に採用。
これ以外にはどういう奴がいるか。
こんな感じでしょうか。
■質問が抽象的で何を聞きたいのかよく分からないやつ。
■どう見ても事前学習してきていると思えない、行き当たりばったりの質問を投げかけてくるやつ。
■人がコメントしたことに答えるふりをしながら、実は反論ばかりしてくるやつ。
■人が話しているのに寝ているやつ。(意外と多い)
■さっきこちらが言ったことも覚えてなくて、何度も同じことを聞いてくるやつ。
■人が何を話しても、はいはいはい、知ってますよという顔をするやつ。
■こちらが複雑と感じている問題を、そんなの簡単に解決できますよと、訳知り顔にろくでもないソリューションを説明しだすやつ。
■問題はなんですか? 課題はなんですか? と、あたかも人が問題の塊かのように、問題点ばかり聞いてくるやつ。
■話が長いやつ。まわりくどいやつ。
■それについては、後ほど、とつまらぬ話を差し込むやつ。
■言われたことしかやりません、言われたことでも気に入らないことはやりません、と顔に書いているようなやつ。
■高飛車に権威をふりかざすやつ。人を見下したような態度のやつ。偉そうなやつ。
■嫌なことは聞きたくない、という態度のやつ。
■相手によって態度がコロコロ変わるやつ。裏表のあるやつ。
■自分の判断とか意見は決して言わず、人に言わせて責任を押し付けようとするやつ。
■人の意見をあたかも自分の意見のように話すやつ。
■都合の悪いことは、決して自発的に語らず、聞かれたらいやいや、しかも誤魔化しながら話すやつ。
■はじめっから人を疑ってかかる、非難するという態度のやつ。
■嘘を平気でいうやつ。言うことに一貫性がないやつ。
■あいさつしないやつ。あやまらないやつ。
■自分の利益のことしか考えていないやつ。
■自分の意見に固執するやつ。枝葉末節にばかりこだわるやつ。
■精神論をふりまわすやつ。具体性がないやつ。
■とにかく人の話をまとめよう、枝葉末節を切り捨てようとばかりするやつ。
■あたたかみのないやつ。喜怒哀楽がはっきりしない、表情のまずしいやつ。
まだまだありそうですな。
にくきもの、恐るべし。
これを総じていうと、「こいつと話すと、なんか相手だけ利して自分は損しそう」と感じるようなやつが、「聞く力がないやつ」かなと思う。
人間はだれでも自分の利益を最優先する。だから「聞く力がないやつ」になりがちなのである。ところが「聞く力がないやつ」は結局利益を得にくいのである。
「損して得とれ」。これこそコミュニケーションの極意ということであろう。
昔の人はよいことをいった。
この問題をJUASで研究し始めて一年。
いちおう報告会は乗り切ったが、肝心の報告書がまだ完成していない。
そこであらためて、「聞く力がない奴とは、どういう奴か」を考えることになった。
言語とは区別のためのシステムである(Byソシュール)、ということで、聞く力を明確に定義しようとすれば、それがないものを研究するのがてっとり早いからである。
考えるタネにすべく「枕草子」をめくる。第二十五段、にくきもの(嫌なもの)。
コミュニケーション系「にくきもの」としては次のものが挙げられている。
■忙しいときに話かけてきて、しかも長広舌なやつ。
(急ぐことあるをりに来て、長言するまらうど)
■たいしたことないくせに、いつも得意満面でえらそうにしゃべるやつ。
(なでふことなき人の、笑がちにて、ものいたう言ひたる)
■いつも人のことをうらやましがり、自分の身の上については文句ばかり言ってるやつ。
■つまらんことまで聞きたがり、それを教えてやらないと逆恨みするやつ。
■ちょっと前に聞きかじったことを、あたかも前から知ってたかのように、他人に語ってるやつ。
(ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露ばかりのこともゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬをば、怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わがもとより知りたることのやうに、異人にも語りしらぶるも、いとにくし。)
■人の話に割り込んで、もの知り顔に、うんちく語るやつ。
(今まゐりの、さし越えて、もの知り顔に教へやうなること言ひ、後見たる、いとにくし)
う”~。やっちゃてるかも。耳が痛い(目が痛いというべきか?)。
これを見ると、とにかく「ペラペラしゃべるやつは嫌い」ということのようである。
清少納言先生は、恐らく、肝心なことを必要最小限にしゃべるやつが大好きなのだろう。まったく同感。たぶん現代人の多くも共感するだろう。文句なしに「聞く力のないやつリスト」に採用。
これ以外にはどういう奴がいるか。
こんな感じでしょうか。
■質問が抽象的で何を聞きたいのかよく分からないやつ。
■どう見ても事前学習してきていると思えない、行き当たりばったりの質問を投げかけてくるやつ。
■人がコメントしたことに答えるふりをしながら、実は反論ばかりしてくるやつ。
■人が話しているのに寝ているやつ。(意外と多い)
■さっきこちらが言ったことも覚えてなくて、何度も同じことを聞いてくるやつ。
■人が何を話しても、はいはいはい、知ってますよという顔をするやつ。
■こちらが複雑と感じている問題を、そんなの簡単に解決できますよと、訳知り顔にろくでもないソリューションを説明しだすやつ。
■問題はなんですか? 課題はなんですか? と、あたかも人が問題の塊かのように、問題点ばかり聞いてくるやつ。
■話が長いやつ。まわりくどいやつ。
■それについては、後ほど、とつまらぬ話を差し込むやつ。
■言われたことしかやりません、言われたことでも気に入らないことはやりません、と顔に書いているようなやつ。
■高飛車に権威をふりかざすやつ。人を見下したような態度のやつ。偉そうなやつ。
■嫌なことは聞きたくない、という態度のやつ。
■相手によって態度がコロコロ変わるやつ。裏表のあるやつ。
■自分の判断とか意見は決して言わず、人に言わせて責任を押し付けようとするやつ。
■人の意見をあたかも自分の意見のように話すやつ。
■都合の悪いことは、決して自発的に語らず、聞かれたらいやいや、しかも誤魔化しながら話すやつ。
■はじめっから人を疑ってかかる、非難するという態度のやつ。
■嘘を平気でいうやつ。言うことに一貫性がないやつ。
■あいさつしないやつ。あやまらないやつ。
■自分の利益のことしか考えていないやつ。
■自分の意見に固執するやつ。枝葉末節にばかりこだわるやつ。
■精神論をふりまわすやつ。具体性がないやつ。
■とにかく人の話をまとめよう、枝葉末節を切り捨てようとばかりするやつ。
■あたたかみのないやつ。喜怒哀楽がはっきりしない、表情のまずしいやつ。
まだまだありそうですな。
にくきもの、恐るべし。
これを総じていうと、「こいつと話すと、なんか相手だけ利して自分は損しそう」と感じるようなやつが、「聞く力がないやつ」かなと思う。
人間はだれでも自分の利益を最優先する。だから「聞く力がないやつ」になりがちなのである。ところが「聞く力がないやつ」は結局利益を得にくいのである。
「損して得とれ」。これこそコミュニケーションの極意ということであろう。
昔の人はよいことをいった。
コメント
いや~、こんなにも嫌なヤツが列挙できるとは。
よほど今迄に接近遭遇した経験者ならでは・・・と痛み入ります。
自分の前の席にも一人同類がいて。
今朝も、昨日送った資料確認に対し、確認しかしない。
お前もプロジェクト責任の当事者だろ!
まず自分の意見を言えよ。
人の書いたものチェックするだけが仕事じゃないだろ!
資料完成=客説明の連帯責任を微塵も感じない
・・・と責任回避するヤツは
「聞く力がない」というより
コミュニケーションしたくない。
(でも仕事上避けて通れない)