発明よく改善を制す

業務改善、てな言葉、聞かぬ日はないですね。
自分も仕事でよく使います。

そもそも業務改善てのは何を目指すことなのか。
それは結局企業(ないしは組織)の利益を向上させるてことでしょうね。

では企業の利益てのはどうしたら向上できるのか。

マルクスの古典経済学によると企業利益の源泉てのは、次の二つです。

ひとつめは、イノーベーションですね。
日本語でいうと改革ですけど、しっくりきません。
大発明ていったほうが分かりやすいと思います。
他の会社が同じ製品出すまでは、売り手市場ですから儲け放題です。
将来価値の先取りとも言いますね。

企業たるもの、できればこいつで儲けたい。
ところがなかなかそうもいきません。大発明なんて、簡単にできるものじゃないからです。

そこで次の源泉が必要となります。
売上とコストの差額です。
そんなの当たり前。誰でも知ってますな。

マルクス先生はこうおっしゃる。
このコストのうち原材料とか設備とかの費用は、どこの会社も最終的に同じになるよね。
で、売上からそいつらを引いた金額、つまり剰余価値は、そもそも誰が産み出したんだっけ?
もちろん労働者だよね。
だけど剰余価値を全部労働者に払い戻してたら、企業に利益は残らない。
てことは、企業の利益て、労働から搾取したもの、てことじゃないの?

現代社会においては、ことはそう簡単じゃあないけど、まあ大体合ってますね。
だからこそマル経は現在も経済学の基礎理論として君臨してるわけですね。
イノバティブではない企業活動による利益てのは、つきつめれば、
労働成果物と労働報酬との差額に他なりません。

ですからコスト削減の行き着く先てのも必然的に、労働強化(人をこき使う)または
人員削減になるわけです。

日本ではサービス残業とか名ばかり管理職とかといった労働強化で今までなんとかしのいできましたが、最近それでは追いつかず、欧米並に、人員削減にも手を出すようになってきました。
今のところ日本の失業率は先進国の中では低い方ですが、このまま「労働からの搾取」に頼る
経済運営・企業活動を続けていけば、近いうちにスペインやイタリアのようになり、もともと膨大な
借金もありますし、年寄りも増えますから、国が破綻するのは間違いないと思います。

コスト削減なんてやめてしまえ!なんていうつもりはありません。
短期的には、やらざるを得ないでしょう。
しかし現在のようにそれに全力を集中してるのは間違いだと思います。
延命してるつもりが死期を早めています。
やっぱり大発明の方に力も金も適切に振り向けて行かないと、だめだと思います。

では大発明を何とか実現するために、何かいい手はないでしょうか。

たとえばこれはどうでしょう。
頭の良さそうな奴を集めて、とにかく尻をたたく。

そんなアホな? そんなんでいいアイデア出るわけない。
ところが、そうでもないのです。
マイセン焼きだったかな、あれはインチキ錬金術師が雇い主の王様に追い詰められた結果、
金の代わりにチャイナ(磁器)でご勘弁を、と発明したものです。
結局許してはもらえず、一生チャイナ作らされたようですけど。
あと、有名な料理コーディネーターも言ってました。アイデアが出るのは追い詰められた時ですと。
ですので日本もいよいよというときは、この方法もいいかもしれませんな。

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