戸田山和久「論文の教室」NHKブックス2002
大学生向けに「論文の書き方」を解説した本ですが、論文の基本構成について、コミカルで読みやすい文章でたいへんわかりやすく書いてあります。サラリーマンにもお勧め。
2012年には新版も出ています。
サラリーマンが会社で書く文章ってのも、実はほとんどが構造的には「論文」です。
ところが、ダメな人の書く文章というのは「日記文(情報羅列文)」とか「感想文」みたいにな、要するに論文としての構造を為していません。
それから最近特に危険を感じるのが、やたらめったら「よかった」「悪かった」「好きだ」「嫌いだ」みたいな評価を書いてるやつね。絶対ダメですな。
技術者たるもの、評価は事実をもって語らしめるべきものであって、ろくすっぽ根拠も述べずに評価だけ書くなどというのは話になりません。
ただこれは、一時(いまでもそうか)、バカの一つ覚えで「結論を先に書け」という人がいて、そういう人に限って「結論とは何か?」を分かっていないためらずにいってるため。現場では(しっかりした論証から導かれる)「結論」と「単なる評価」の区別がつかず混乱しているということが起こったのが原因だと思いますが。
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