永井義男「江戸のフーゾク万華鏡」日文新書2009

吉原に代表される江戸のフーゾク事情についてまじめに解説した本です。

時代劇を見ていると、吉原の花魁を、大店の主人とか大名とかが身請けするという話がよく出てきます。
ほんまにそんなことあったのか?とかねがね疑問に思っていましたが、この本によると、実際にちょいちょいあったのだそうです。年季明けの遊女がふつうに町人の女房になることも実際にあって、長屋のおかみさん連中からも「吉原上がりだから色っぽいね~」なんてむしろリスペクトされてたそうです。

その背景には、当時の江戸庶民たちが、遊女(特に公許の吉原)に対しては一切差別意識をもっていなかった、むしろ親のために苦界に身を落とした健気な孝行娘と考えていたことがあったそうです。ちなみにこの感覚は戦前まで残っていた。

今の日本では忘れてるひとが多い気がしますが、子供の人権にもっとも脅威な存在は実は親で、義務教育なんてのも子供の学ぶ権利を侵害しないよう、親に義務付けているわけです。貧しい国では、学校が子供たちのシェルター(アジール=避難所)です。だから何は置いても学校を作らないといかんという話になります。

日本はその活動にかなりお金を出しています。しょうもない誹謗中傷に右顧左眄せず、そいうことをもっとアッピールすべきだと思いますね。

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