福岡伸一「ロハスの思考」ソトコト新書2006

最近あまりロハスって聞かなくなりましたが、それは逆にロハスなライフスタイルが一般化した証拠ですかね?

そもそもロハスとは何か?
アメリカで生まれた言葉だそうで、Lifestyles Of Health And Sustainability (健康で持続可能なライフスタイル)の略です。

その意味を著者はこう説明しています。
「ある種の思想改革である。つまり、これまで私たちを支配しようとしていたファストフードという名の加速、あるいはグローバリゼーションという名の均質化に対するパラダイムシフトである。線形的な加速から、円形的な循環を模索する思考といってもいい。言い換えるなら、閉じられた思考を開く思考である」。
なるほどね。
他の福岡作品同様、たいへん勉強になりました。


私たちは還元状態にある炭素からしかエネルギーを取り出すことができない。
植物が光合成に利用している太陽エネルギーの割合はたったの0.1%に過ぎない。
直感はあてにならない。だから勉強しよう。
 私たちが今、この目で見ている世界はありのままの自然ではない。加工され、デフォルメされているのである。たとえば、連続して変化する色のグラデーションを見ると、私たちはその真ん中に不連続な、存在しないはずの境界線を見てしまう。逆に不連続な線があると、私たちはそれをつないで連続した図形を作ってしまう。
 さらに、私たちは、本当は無関係なことがらの多くに因果関係を付与しがちである。
ワンガリ・マータイさん(2004年ノーベル平和賞。アフリカ系女性として初)、ケニアで女性を中心とした植林活動「The Greenbelt Movement」を開始。「モッタイナイ」を環境保護の合言葉として世界に広めた。
ルドルフ・シェーンハイマーの「動的な平衡」。ルシャトリエの法則「一般に可逆反応が平衡状態にあるとき、その条件(濃度・温度・圧力)を変化させると、条件変化の影響を和らげる向きに反応が進んで、平衡が移動する=自然は干渉に対して揺り戻し(報復)を行う」
大量の家畜や家禽を集約的に促成飼育する現代の畜産システムが、ウイルスの進化を加速させている。
ソルビン酸。乳酸デヒドロゲナーゼを阻害し微生物の増殖を食い止める。すべての薬は毒であり、すべての毒は薬となる。薬とは何かを回復したり、治すものではない。生命現象の流れの一部分を堰き止めて、ある状態を別の状態に変える作用を果たすに過ぎない。

●S・シュナイダー。スタンフォード大の高名な気象学者。環境問題に対して当初は寒冷化論を唱えていたが、温暖化論にスイッチ。終始一貫「原発推進派」。

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